Soyes S10-Hレビュー【中華の激安ミニマムスマホ】
手元のスマホで一番小さいのはRakuten Handなたきれんです。
世間ではiPhone12miniの販売不振が明らかになり、小型スマホを欲しがる人はやはり少数派だとか言われていますが、小型スマホを求める人に向けたスマホとしてはiPhone12miniは大きすぎたのかもしれません。
正しい大きさは、ずばり3インチクラスの超小型ディスプレイ、というわけでSoyesという中華メーカーから発売されているSoyes S10-Hという超小型スマホを買ってみました。
そもそも超小型スマホとは
超小型スマホはその名の通り超小型なスマホ、と言ったら泣かれそうですが、Rakuten miniやPalm Phone、そしてUnihertzのJelly2といったサイズのスマホです。
古くはXPERIA RayやXPERIA X10miniといった端末が超小型といえるでしょう。
あまりに小型なそのサイズから、ぶっちゃけ実用的とは言えないサイズとなっていますが、それでも小型なサイズにスマートフォンの機能が詰め込まれているというロマンは、多くのスマホ好きに愛されてます…愛されてるよね?
開封の儀
今回はAliexpressで到着、意外なことにポストに投函されてました。どうやって入れてるんですかね。
箱は結構デカイ梱包材に包まれており、特に潰れなどはみられませんでしたが、シュリンク無しで新品(のはず)スマホが届いたのは初めてなのでビビりました。
箱を開けると本体がちょこんと入っており、その下にケーブルやケース、SIMピンとショップからの「星5頼んだよ」カードが入っていました。
ちなみに箱の印刷自体ずれてます。ここまで低クオリティなのは初ですよ。
ケーブルからも分かる通り、このスマホまさかのMicroUSB端子搭載です。この時代の新品スマホでまた会うことになるとは…
本体は想像以上に小さいです。
ボディは全てプラスチックですが、若干ずっしりしているからかそこまで安っぽさは感じません。
ケースはなぜか背面の黒い部分が丸出しになるように設計されてます。どうして。
フィルムはとてつもなく安っぽいです。ここまで低品質は初めてみたかも。
ちなみにSIMピンやケースは固定されていないので、箱の中でカラカラ鳴ります。
起動するといきなりホーム画面に飛ばされますが、そもそもこいつには「初回起動のセットアップ」が存在しません。
そのため、言語も強制的に英語スタートですが、日本語表示自体は言語設定から切り替えることができます。
日本語入力はGBoardを別途導入しました。
外観
本体の外観を見ていきます。
前から見ると太いベゼル、そして本体の小ささから分かる通り、かなり小さな表示面が見えます。
今回買った色は青色っぽい色なので、おもちゃ感がさらにマシマシです。
素材はプラスチックですが、触感といい意外にも安っぽさは感じさせない作りになっています。
また、小さい&プラスチックの割には、意外とずっしりしています。
背面には真ん中に一列黒いプレートが入っています。
カメラは3眼のように見せかけて、本物は一つだけです()
中華の怪しいスマホあるあるですね。
フラッシュもしっかりついています。
端子やボタン類を見ていきましょう。
下面はMicroUSB端子とスピーカー穴…ではなくマイク穴です。
右側面は音量キーがあります。
左側面は電源ボタン、SIMスロットがあります。
上側面はなんか黒くなってますけど、何のためかはさっぱりわかりません。
下面の穴がスピーカー穴じゃないのならスピーカーはどこに?って思われるかもしれませんが、受話器スピーカーが普段からスピーカーとして頑張ります。
スペック
一周回って気になってくるスペックを軽く紹介しておきます。
SoC
MediaTekのMT6739を搭載しています。超安価な端末に使われていたりするSoCです。
性能は超絶低いですが、解像度の低さなどのおかげか、この端末では普通に使えます。
Ram/ストレージ
メモリは3GB、ストレージは32GBを搭載しています。
最近の端末では少ない方ですが、別にこんな端末ガッツリ使うということはないでしょうし…
またmicroSDが刺さるので、音楽とか写真はそっちに退避させながら使えばいいかと。
ディスプレイ
ディスプレイは800×340ピクセルの3.5インチディスプレイを搭載しています。
かなり縦長なディスプレイですね。
カメラ
Aliexpressの商品説明を見る限りではメインカメラは5MP、インカメラについては記載なしとなっています。
ただ、後述しますが明らかに撮影データの解像度が盛られているので、実際のところの解像度は不明です()
その他
Androidのバージョンは、怪しすぎる系端末にしては珍しくAndroid9となっています。
SIMスロットは2枚刺さるタイプで、そのうち片方はmicroSDと排他仕様になっています。
驚くべき点は、イヤホンジャックが付いていないです。
音楽再生時はBluetoothイヤホン使えっていうことですかね…
カメラ作例
カメラの作例も少し載せておきます。
なんというか、カメラはガラケー時代を思い出させる映りでした。捉えようによってはエモい感じです(?)
シャツの胸ポケットに忍ばせれるので、自転車でちょっと立ち止まった時にトイカメラ風にパシャっと撮ることも出来ます。
というか実はトイカメラなのでは(?)
ただし、インカメラは凄まじいです。まじでガラケーのインカメラ流用したんじゃねえかと疑いたくなります。
でもノートパソコンのインカメラもこんな感じのものが多い気もしたり。
また、センサーに対して明らかに写真のサイズがおかしいです。
リアカメラは5MPという記載になっているのですが、明らかに写真の解像度が5MP以上なんですよね…
また、インカメラも同じく、明らかに解像度が盛って撮影されてます。その結果めちゃくちゃに画質の悪いくせに微妙に重たいファイルが生成されていたりと、なんだかめちゃくちゃです。
ベンチマーク
ベンチマークはたきれんのデジメモでは基本的に3DMark、PCMark、GeekBench5の3つを使用しています。
3DMark
3DMarkはSlingShotにて計測。スコアは215という結果に。
3桁スコアなんて、LineageOSを導入したGalaxyS4ぐらいでしか見たことありません、というか負けてます。
PCMark
PCMarkではWork3.0にて計測。結果は4043というスコアに。
なんか意外とマシなスコアが出ているので、もしかしたら計測ミスが起こっているのかもしれませんが、何度測っても4000台でした。そんなに高いスコアが出るはず無いはずなのですが…
GeekBench5
GeekBench5はシングル121、マルチで387という結果に。
凄まじく低スペックでございます。
良かったポイント
ここからは実際に使ってみて良かったポイントを挙げていこうと思います。
意外と動いてしまう
SoCがかなり低スペックなものの、ディスプレイの解像度がかなり低いおかげか、重すぎて使えないなんてことがないです。
その気になれば、CoD:Mobileも最低設定ですが遊べてしまいます。
意外にもコマ落ちとかはしないですし、最低設定でも元のディスプレイの解像度が低すぎる&サイズが小さいのであまり気になりません。
前モデルよりもSoCがちょっといいものになっている恩恵ですかね。
ギークすぎる見た目に惚れ惚れ
あまりに小さいサイズ、そんなサイズに対してもう一回り小さなディスプレイ、とてもギークすぎます()
そんなくせしてカラーリングは可愛らしい色をしているので余計凶悪です。
この分けわからない感じが、謎の所有感を満たしてくれます。
サイズは小さいですけどね。
でもそれだけ小さいのにAndroid9が載って、普通に動かせるっていうんだから面白いです。
とはいえ、これはJelly2やAtomにも言えることではあるんですけど、やはり画面の巨大化が進んでいく昨今、逆に小さすぎる端末があるのはガジェット好きとしては実用性うんぬんの前に好きですね。
ahamoで普通に使える
びっくりなことにahamoで普通に電話もネットも可能です。
PocoX3ProやPocoF2Proでも不可能だったahamoが使えるとは…
ahamoは一部でIMEI制限が噂されているように、海外でしか売られていないdocomoのバンドに非対応な端末に挿して使った際に、電波を一切掴まないという仕様があります。
そんなahamoが普通に使えるだなんて…仮にブラックリスト方式ならあり得ますが、それだとあまりに作業が増えるはずですし、かと言ってホワイトリスト方式だと説明がつきにくいですし、ahamoが使えたのはかなり意外でした。
…まあ、つながったからと言って使い道はないのですが…
ちなみにSIMを挿すと自動的にAPNはspモードが選択されていましたが、もしかしたらAndroid標準でSPモードのAPNが登録されてるのかもしれませんね。まさかこんな訳のわからない中華メーカーがわざわざ準備しているとは考えづらいですし…
と、良かった点はこれぐらいですね。
そもそもこの端末に「良い点」というものさしを用いてはならないのです。
ギークな端末は持っているだけで楽しい、持っているだけで十分なのですから(えっ)
楽しいかどうか、それだけでいうと普通に楽しかったです。
残念だったポイント
残念というか、癖強ポイントと言いますか…
充電がmicroUSB
こいつの割と大きな残念ポイントが充電がmicroUSBな点でしょうか。
前モデルはUSB-Cだったのに何でこのポイントが退化しているのか、その時点で理解に非常に苦しみますが、さらに困ったのが、端子がなんかぐらついていました。
多分不良ロットだったのかもしれませんが。
カチッと刺さる感じがしなくて、作りの甘さを感じさせますね。
また、QuickChargeのような急速充電の類は対応していない(そもそもMediaTekなので非対応だけど)ので、充電がおそらく1A/5Vの低速充電のみっぽいです。
バッテリー容量も小さいのに満充電まで非常に時間がかかります。
あと、イヤホンジャックがないのにmicroUSBなのも非常に不満です。
microUSBから3.5mmに変換可能なDAC内蔵アダプタなんて今では出回ってる量って本当に少なすぎるんじゃないでしょうか。
せめて付属してくれてたらもう少し変わったと思うのですがねぇ。
タッチ精度が悪すぎる
画面が小さいので、普通の端末以上に細かいタッチ操作が求められるのですが、タッチ精度が本当に酷いです。
例えば文字入力時、QWERTYキーにしていると誤入力が頻発します。
また、CoD:Mobileでも起動時にキャンペーンみたいなものが出てきますが、閉じるボタンが小さすぎて押すのに2分くらいかかりましたし、ゲームモード選択をする時も一苦労です。
OTGでマウスを繋げることも不可能でしたし、操作はかなり難しいです。
ちなみに付属のフィルムを貼るとさらに精度が落ちるので注意です。
もしもフィルムを貼るなら、PDF工房でちゃんとしたものが発売されているので、そちらを使用するのが最善です。
Soyes S10-Hを上手に使いこなすには?
ホームアプリを変更する
使いこなす上でこれは必須かって言われたら首を縦にすぐに振れるか怪しいですが、ランチャーアプリを変更してやることで、この小さな画面にてより使いやすいようにカスタムすることが可能になります。
また、ADWを使っていたのですが、ホーム画面のアイコンとアプリ名の文字が綺麗になってた気がします。あくまで気がするだけではありますが。
Bluetoothイヤホン×安価なMVNOで小型オーディオプレイヤー
小型なんだからランニング時とかにポッケに忍ばせて、音楽を聴きながら走れるようにってやつですね。
普段使いのスマホでいいじゃ無いかと言われそうですが、私なんかメインのスマホが二台ともデカイので、ランニングに小型なスマホを持ち歩けれるのなら…
でもiPhoneユーザーならAppleWatchつけてたらそこから音楽聴けますしね…
隠して持ち歩く超小型サブ端末
もしも散歩中にテロ集団に襲撃されたら、バレないように外部に連絡する手段が必要です。そんな時にこんな小型携帯があったらバレずに連絡できるかも…ふざけすぎました、はい。
デジタルデトックスの一歩目に
こんな小さくて使いにくいスマホだけの状態にしてしまえば、わざわざスマホを触りにいくことも少なくできるかもしれません。そうすればデジタルデトックスとして効果を持つのかも…しれません…
…果たしてこの端末に上手な使いこなし方などあるのでしょうか…
総評
日本国内でも超小型スマホといえばUnihertzのJellyシリーズや、Atomのようなちゃんとしたものがありますが、やはりというべきか、中華の1万円以下のものとなるとなかなかに香ばしくなってきますね。
箱も何もかもが怪レさ満点です。
言ってしまうと、実用できるものでは無いですね。
また、端子が今更microUSBなことやイヤホンジャックが無いことも使い勝手の悪さに拍車をかけてきます。
あくまでおもちゃです。そこに期待は禁物です。
ただし、こんなおもちゃでもCoDみたいなゲームが動かせるのはなんとも面白いですね。
まとめ
今回はSoyes S10-Hをレビューしました。
S10からスペックは若干上がっているのにUSB-CからmicroUSBに退化していたり、全体に作りが甘かったりとお世辞にも人に勧めるもんでは無いですが、超小型かつ激安なスマートフォンを使ってみたい、なんて変わったお方にはおもちゃとして良い選択肢になるのかも…しれません。
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