KZ S2レビュー【製品以外に難多数】
kzのAS10を使ってます、たきれんです。
kzは数多くある中華オーディオメーカーの中でも「比較的使える」ブランドとして認知されていて、結構ユーザーも多いわけですが、そんなkzから新型ワイヤレスイヤホン「KZ S2」のクラウドファンディングが行われていました。
前作のS1も評判は悪くなかったので、日本でクラファンを行うというということは当然技適も取っているのだろう(←重要)ということで、アリエクでも未発売ということもあって出資してみることに。
なんと出資後、クラファン終了後から届くまで1か月もかかりましたが、取り合えず到着。
このあたりの話は後回しにして、先に2週間ほど使った感想を書いていきます。
開封の儀
イヤホンの箱は若干潰れていましたが、全然許容範囲です。
kzのロゴと、S2のイラストが描かれています。
シンプルで比較的おしゃれじゃないですかね。
今回はイヤーピース付きを選んだので、ウレタンタイプのイヤーピースが付いてきました。
サイズはS,M,Lの3種類ですね。
アリエクでも大体500円ぐらいの感じですかね。
まず驚いたのが、日本でクラファンを行ったくせに箱に日本語が一つもない。
この辺りも後々話していきますが…
箱を開けるとケースが登場。
ケースと、プラスチックの型をどけると、説明書と付属のイヤーピース、充電ケーブルが登場。
ケースには大きくKZ ACOUSTICSの字が。
ケースのサイズ自体もかなり大きめな印象。
開けるとイヤホン二つがはまっていて、タッチセンサー部にはkzのロゴが。
それぞれにL/Rが印字されています。
あと、ケースの充電方式はType-Cなのが嬉しいポイントですが、端子の向きが縦向きというなんとも珍しい感じ。
それではレビューに移っていきます。
良かったポイント
まずは良かったポイントから上げていきます。
音は手抜き無しの印象
KZ S2のセールスポイントの一つが「ハイブリッドドライバー」、つまりダイナミックドライバー(DD)とバランスドアーマチュアドライバー(BA)を一基ずつ搭載した構成という点です。
KZも多くのハイブリッド構成のドライバーを搭載したモデルを出していますし、それを流用してきたってことでしょう。
そのため、音としてもどこかの音がスッカスカということも無く、ちゃんと音楽鑑賞が出来る音になっています。
流石にKZ AS10と比べると音の繊細さと言ったらいいんでしょうか…音質は負けてますけど、あっちは有線ですしね。
こっちは比較的高音質なAACコーデックに対応しているとはいえ、それでも有線みたいにはいきません。
タッチセンサーの感度も悪くない
この手の安めのワイヤレスイヤホンでタッチセンサーを搭載しているものは、センサーの感度がメチャクチャ悪いのですが、S2は意外と(失礼)感度は悪くないです。
むしろ若干良すぎでは、というぐらいですが、悪いと何度もタップするはめになったり、目的の動作が行えないので、この点は良かったです。
低遅延モードがすごい
このイヤホンは低遅延モード(パフォーマンスモード)なるものが搭載されているのですが、かなり遅延がマシになります。
S2はSBC、AACという二つのコーデックに対応しているのですが、高音質なAACは遅延が非常に大きいんです。
SBCもAACほどではありませんが遅延があるんですよね。
このイヤホンはタッチセンサーを三回タップするとパフォーマンスモードに切り替えるのですが、AACでもSBCでも遅延がマシになります。
特にすごいのがSBCでの接続中にパフォーマンスモードにしたときで、遅延がほぼゼロになります。
有線と比べるとわずかながらに遅延を感じますが、音ゲーやスマホでのFPSゲーム程度なら気にならないレベルでしょう。
動画でも口と音声がずれないです。感激。
イヤホン単体で4時間もつ
効果があるのか全く分からないのですが、一応エージングをしていたのですが、その時にずっと音楽を再生させてると意外と電池持ちが良かったです。
5時間は行きませんでしたが、AAC接続で大体4時間は持ちました。
最近のTWSイヤホンは大体それぐらい持つものかもしれませんが、4時間持てば電車でもずっと音楽再生できますし、十分感はありますね。
で、さっき言った遅延が小さいという話も絡めると、ゲームしててもプレイ中に電池が切れるようなことも少ないんじゃないですかね。
以上が良かったポイントでした。
4000円を下回るTWSイヤホンにしては、かなり使えるイヤホンだという印象ですね。
良くないポイント
次にあげていくのは良くないポイントです。
そりゃ4000円下回るので残念ポイントもありますよ。
ホワイトノイズが結構載る
前にKZのワイヤレス化ケーブルのレビューを書いたのですが、あれはホワイトノイズが酷すぎて手放した過去があります。
S2はあれほどでは無いですが、結構ホワイトノイズが載ります。
音楽鑑賞では音量を上げてやればかき消せないことは無いですが、ラジオ系のものを聴いてたりしてたら、中々気になるレベルのノイズです。
今使っているもう一つのTWSイヤホン(TaoTronics製)のは全然ノイズが載らないので、KZはホワイトノイズが載りやすいんですかね…
ケース側のバッテリーはあんまり持たない
イヤホン本体のバッテリーの持ちは意外と良いのですが、問題はケース側です。
ケースのバッテリーは4回目の充電途中で空っぽになる印象です。
ケースがかなり大きめなのでもう少しバッテリーは持って欲しかったですね。
ケースのバッテリー表示
ケース関連でもう一つ、バッテリーのインジゲーターが蓋を開けないと確認できません。
それだけでも結構マイナスなのですが、イヤホンを入れたりしてもインジゲーターは表示されません。
背面のボタンを押さないとLEDが光ってくれないんですよね。
ケースに入れてすぐにケースの残量を確認できたなら、バッテリー切れにも気づきやすいと思うのですがね…
以上が良くないと思った、残念ポイントです。
やはり一番大きな問題点はホワイトノイズですかね。
手持ちのどの端末でも結構ノイズが載ってたので、元が乗りやすいのでしょう。
ホワイトノイズがここまで大きくなければもっといい評価を出せた気がします。
製品意外のさまざまな問題
さて、ここまで商品のレビューを書いてきましたが、今回凄かったのがkz自体の対応です。
色々あったのですよ….
クラファン終了直後に一般発売開始&定価変更
これは日本ストアではなくアリエクでの話なので一概には書くべきではないかもしれませんが、クラウドファンディングが終わり6月になって少し経った頃、Aliexpressでも販売が開始されました…
販売開始自体は驚くことは何にもありませんが、問題は値段。
日本でのクラウドファンディングは3990円からだったのに対して、Aliexpressでは軒並み3000円程度。
これはどういうことかとコメント欄でも荒れていました。
だってクラウドファンディング時には定価は7000円とか書いてましたからね。
完全にぼったくりです。
とはいえ日本だと技適とかの取得費がかかりますからね…
そういうのを考えると仕方ないかも…と気持ちを切り替えていたら…
技適が未取得
これはクラファンが始まってすぐに一部ブロガーに先行レビュー機が配られたらしいのですが、そこで上がっていたのが「どこを見ても技適マークがねえ」
クラウドファンディングで商品が到着した人も「技適がねえ」
自分の元に届いたものも当然「技適がねえ」
仮に技適を取得していても、それを証明するためのマークが必要なのですが、それが無いということは電波通信法違反になります。
ということでKZ側に問い合わせしてみたわけですが、回答としては「現在技適申請中」とのこと。
そして製品版では技適を通して、マークを付けて売るよ、とのこと。
つまり、技適の申請が通っていないにもかかわらず商品を送ったということです。
しかも、先行レビュー機を配った時期から考えると、レビュー機を出した後に技適を申請した…ということです。
普通そこまで申請に時間がかかるとも思えないですし、本当に申請を出してるのかも若干怪しいですが、ワイヤレス化ケーブルのapt-X版は技適通ってたはずですし…不明瞭な点が多すぎます。
そして箱の話に戻して、日本語が一切かかれていないと書きましたが、つまり「中国本国で発売したS2」をそのまま日本で売ったということです。
いやー、ここまで雑いとは…
ちなみにPSEマークも無いです()
荷物が国際郵便で来た
箱が若干潰れてたと書きましたが、これ国際郵便で来たんですよね。
そして送り元は台湾。
説明では、本国KZから送ってもらって、東京から日本国内で送るだったのですが、どうやら嘘で、台湾から直接送ってたっぽいです。
その時点でもなかなかのクソですが、KZの説明だと6月中旬の時点で日本国内に全出資者分届いてるとのことだったんですよ。
しかし、自分の手元に届いたのは6月末。届く時期も説明も何もかもがメチャクチャです。
ちなみに追跡番号も送ってこなかったです。突っ込みどころが多すぎる…
Twitterを見てると、同じようなことになってる人が他にもいましたが、配送業者が国際郵便じゃないところもあったりと、とにかくめちゃくちゃな印象。
とにかく、DHLやFedExといったちゃんとした業者を使っていないということだけは確実ですね。
サポートの日本語もおかしい
もともと日本に進出していたメーカーではありませんし、そこまで大きい規模でもないので日本人スタッフを準備してない感じはありますが、サポートの日本語も機械翻訳感がかなり強かったです。
海外メーカーあるあるだと思うのですが、「親愛なるユーザー様へ」とか書きがちですよね。
KZももれなくそんな感じでした。
ただ、これは日本支社を置いてのクラファンでは無かったはずですし、意思疎通が不可能とかでは無かったので許容範囲です。
という風に、製品以外に色々と難点がありました。
特に値段に関しては驚きましたね。
もうクラファンの意味ないやんという。
あとは技適問題、もっと調べてからクラファンをやって欲しいところですよ…まったく…
まとめ
KZから発売された完全ワイヤレスイヤホン、KZ S2のレビューでした。
ホワイトノイズが少々デカイという問題を除けば、製品自体はかなりいいとは思うのですが、メーカーの体制が色々と怪しさ満点というのがなんとも残念です。
KZは多ドライバー搭載で戦っているメーカーですし、いつかはE10(4BA+1DD)の後継みたいなのにもチャレンジして欲しいですね。
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