Xiaomi PocoF2Proレビュー【高コスパなモンスター機】

Xiaomi PocoF2Proレビュー【高コスパなモンスター機】

Xiaomiユーザー歴、そろそろ1年なたきれんです。

元々今年の初めの方に、XiaomiからRedmi K30Proという昨年発売されたRedmi K20Pro(Mi9T Pro)の後継モデルが発売されたのですが、5月になってから、グローバルモデルがPocoF2 Proという名称でリネーム販売されました。

Pocoと言えば、二年前に当時フラグシップだったSnapdragon845を搭載し、液冷、2眼カメラ搭載という性能を持ちながら、3万円代という価格破壊を起こしたPocoF1を発売したことで有名なXiaomiのブランドです。

長らくPocoからは新たなモデルが出ていませんでしたが、昨年発売されたRedmi K30のリネーム版であるPocoX2を発売し、そしてK30Proのグローバル版としてPoco F2Proが発売されました。

そんなPoco F2Proを今回輸入しましたので、レビューをしていきます。

スペック

今回購入したPoco F2Proのスペックは

・SoC:Snapdragon865

・Ram:6GB(LPDDR4X)

・ストレージ:128GB(UFS3.1)

・カラー:Cyber Grey

値段は送料・保証付きで56113円でした。

開封の儀

今回使ったECショップは「Bangood」です。配送方法はJapan Direct Mailで、注文から11日で到着しました。

日本に入ってくるまで追跡が出来ないので結構焦りました。

日本に入ってからは佐川が担当します。佐川で9時に配送開始で到着が17時でした。佐川の配送システム知らんかったので驚きました。

で、いざ開封です。

今回はなんと箱が一切潰れていないという奇跡が起こりました。

中国通販で箱潰れが無いなんてことが起こるとは…

超厳重梱包でございます

Pocoということで廉価ブランドではありますが、箱も安っぽくないです。

まず驚いたのが箱のデカさ。

Mi9TXPERIA 1の箱もデカかったのですが、Poco F2Proの箱は更にデカい。

箱に5Gと書いてある通り、5Gでの通信に対応しています…が、日本のバンドの対応状況はイマイチといった感じかと…4Gの対応バンドもうーんといった感じ。

箱を開けると黄色の箱みたいなやつが。

SIMピンと説明書的なの、そしてケースが入っています

ケースは背面はハード、側面はTPU素材でそこまで安っぽくはない感じ。

それをどけると…

Poco F2Proとご対面。

本体をどけると、充電ケーブルと充電器が付属しています。

付属充電器は33Wの高速充電に対応しているものの、おそらくQC3.0やUSB-PDに準拠していない独自形式のものです。

ちなみに、ちゃんと通販で買ったものなので、コンセントの変換が付いています。

外観

今回選んだのはグレーですが、背面ガラスはすりガラスっぽくなっていて、反射しにくいものになっています。

OnePlus7T、iPhone11Pro辺りからか、背面のガラスがテカテカじゃなくて、すりガラス風になっているものが一気に増えましたね。

テカテカも良いのですが、個人的にはすりガラス風の方が高級感を感じます。

Mi9Tの時も安っぽさはありませんでしたが、遂に高級感すら出てきました。これでも廉価モデルなんだぜ…

カメラの占有面積がMate30同様丸形で大きいですが、背面はそんなに見ることが無いので気にならないです。

それよりも気になるのがカメラの出っ張りですね…ここまでデカいのは初めてです。

フラッシュは3色混ぜるっぽいです。

背面にはPocoのロゴが入っています。

Xiaomiのロゴは入っていませんが、文字としては入っています。

前面はインカメラが無いので、ノッチレスで非常にすっきりしています。

一度ポップアップ式カメラを使ってしまうと、この全面ディスプレイというデザインから抜け出せなくなってしまいます。

側面はMi9Tと同様、電源ボタンが赤色になっています。

SIMスロットは、Mi9Tの2連スロットではなく、両面にSIMカードを入れる方式になっています。

フラグシップスマホでは珍しいイヤホンジャックも続投です。

ベンチマーク

使用感レビューの前に、この端末で多くの人が気になるであろう項目が「ベンチマーク」のスコアですね。

この端末の魅力は、Snapdragon865を搭載し、ストレージはUFS3.1、そして液冷というゲーミングスマートフォンに近いと言える構成です。

それらをベンチマークで見ていきましょ。

Antutu(Ver8.3.5)

総合スコアは572164、現状でのトップクラスですね。

3DMark

3DMarkは一応全てのベンチを試しておきました。

SlingShotExtreme Unlimitedというやつでは8055というスコアをたたき出しました。

余談ですが、3DMarkが一番端末が熱くなりましたね。

PCMark

GeekBench5

良いところ

それではいよいよ使用感レビューに入っていきます。

まずは良いと感じたポイントから。

現状での最強スペック

現状では最強の性能を誇るSnapdragon865を搭載していて、スマートフォンとしては最高のスペックの部類になります。

このレベルの端末の場合、高リフレッシュレートディスプレイを搭載したり、高解像度ディスプレイを搭載していることが多い中、ディスプレイ性能についてはそこまでこだわられていない(言い方)こともあり、ディスプレイに割かれる性能が若干軽減されている(気がする)ので、その分体感の性能は高い…気がします。

ぶっちゃけ、ここまで性能が高いとそうそう差を感じることがありませんが()

自分はそこまでゲームをするわけではないのですが、PUBGやマイクラといったゲームがカクつくことも一切起きてませんし、Snapdragon865搭載っていうのは伊達じゃないですね。

更に、ストレージについてはフラグシップ機で搭載しているモデルが少しずつ増えてきているUFS3.1規格です。

この値段でUFS3.1のストレージは中々珍しいんじゃないでしょうか。

ちなみに液冷搭載、と謳われてはいるものの、Snapdragon865自体が発熱モンスターですし、ゲーミングスマートフォンほど排熱構造がしっかりしているというわけでもないので、冷たい状態が続くわけではなく、ほんのりと温かい感じです。

冷却に意味がないわけでは決してなく、二回連続でベンチマークを走らせても、スコアが下がらないということから冷却はできていることでしょう。サーマルスロットリングが起きてないってことですからね。

2回目の方がスコアが挙がったの図

冷却構造が無ければもっとアツアツになっていそうな気はします。

ポップアップカメラも良くなった

Mi9Tシリーズに続き、PocoF2もポップアップカメラが特徴ですが、Mi9Tに比べて良くなっています。

良くなっている、と言っても別に画素数が向上したとかそういうのではなく、ポップアップカメラというものが進化しています。

まず、カメラの昇降速度が上がりました。

カメラの昇降速度が上がったので、顔認証でロック解除する際にも解除速度が上がってます。

今は外でマスクをつけるようになっているので指紋認証の方が使う頻度は高いですが、家の中とかで使うときはやはり顔認証は便利ですね。

更にカメラのLEDの色が選択できるようになりました。

全部で7色から選べるように

あれ、出てくるときの色だけじゃなくて、上部の通知ライトにもなってるので、単にカメラがかっこよくなるだけじゃないんですよね。

ディスプレイも綺麗に

ディスプレイのアスペクト比が19.5:9から20:9になったりとか、更に大きくなったといったすぐにわかる点も変わっていますが、ディスプレイの質もかなり上がりました。

Mi10が数値上は世界最高峰のディスプレイを搭載している、と発表時に話題になったりしましたが、PocoF2Proも流石にそこまでではありませんがかなり頑張っています。

最近よく聞く「HDR10+」にも対応し、コントラスト比も5,000,000:1と、この価格帯では凄いのでしょう。

ちなみに色域としてはNTSCカバー率が98%と書かれていますが、色域の基準が多すぎてよく分かりません(えっ)

カメラもしっかり進化

(追記)カメラレビューはこちらから。

カメラも当然進化しています。

Mi9Tでは48MPの広角をメインとして、超広角、2倍望遠となっていましたが、今回は64MPの広角をメインに、超広角、マクロ、そして深度測定用カメラの4眼になっています。

一つが深度用ということで、カメラとしては使えないので実質3眼みたいなもんですが…

カメラの色味はMi9Tと変わらずの傾向と言いますか、青色が若干強調気味ではありますが、かなり綺麗な写真が撮れます。

さらに高画素数化したことで、風景とかを撮ったときにめちゃくちゃ拡大できるのも面白いですよね。

もうポスターが作れてしまいます。

性能も高いので、64MPで撮ったときに処理待ちが全然発生しないのも凄いポイント。

ちなみに通常モードの写真も16MPに向上したので、写真のサイズがとんでもないことになってきました。

2倍望遠レンズは無くなりましたが、64MPを二倍クロップする形になったみたいです。

少し残念な感じもしますが、元が高画素数なので2倍クロップしようとも違和感は全くと言っていいほど無いですね。

そして望遠の代わりに搭載されたマクロレンズ。

使い道はぶっちゃけあまり浮かばないのですが、花とかを接写したりするときに中々面白いです。

iPhoneの精密ネジのネジ穴が見えるぐらいに…

ディスプレイを接写したら、ドットがここまで大きく…

ThinkPadX280のフルHDディスプレイもこの通り

ちなみに、写真についてはようやくカメラアプリからRAW撮影ができるようになりました。

Mi9TやXPERIA 1もRAWでの撮影には対応していたのですが、カメラアプリからは撮影できず、Lightroomといった別のアプリから撮ってやる必要がありました。

PocoF2Proではプロモード(マニュアルモード)でRAWの選択ができるようになっていて、RAWでの撮影が捗りますね(なおファイルサイズ…)

最後に、PocoF2Proの特徴の一つともいえる、8K動画撮影も可能になりました。

(追記)8K動画撮影のサンプルはこちら(Youtube)にアップしています。

処理が重い上、ピントが合うまで時間がかかったり、不安定だったりと実用的かと言われると微妙ですが、ロマンですね。

そのほかに6分という時間制限や、めちゃくちゃデカいファイルサイズ等色々制限はありますが、このサイズのスマートフォンで8Kが撮影できるとは…と少し感動。

ちなみに、8K撮影で6分の動画は5GB近いサイズになりました。恐ろしや…

バッテリーが大きくなった

バッテリーがMi9Tの4000mAhから4700mAhにアップしました。

実をいうと、Mi9TはSnapdragon730搭載ということもあって、かなり省電力なので、使ってて感じるバッテリーの持ちにはさほど差はないのですが、PocoF2Proにはバッテリーもかなり消費していくSnapdragon865が搭載されているので、バッテリーが大きいことは正義です()

充電速度もUSB-PDの30Wまで対応していますが、バッテリーが大きいので充電速度はバッテリー残量だけを見てるとそこまで劇的な速さは感じなかったり。

Pocoランチャー

PocoF2Proは搭載しているのはMIUIではありますが、ランチャーはPocoランチャーというものになっています。

MIUIはiOSと同様、ホーム画面にすべてのアプリが並んでいく方式でしたが、PocoランチャーはXPERIA等と同様、下から上にスワイプしたらアプリドロワーが出てくる方式になってます。

あのアプリどこの画面に置いたっけ…みたいなのが減る(気がする)のでこれは案外良かったかも。

これまでのMIUIとはホーム画面が若干違うので、慣れは必要です。

意外とカテゴリ分けが正確だったり…

以上が良かった点です。

触覚フィードバック

最後に挙げるのが、触覚フィードバックです。

iPhoneでもHaptic Engineとして存在する機能ですが、あれって本当に普通のバイブレーションとかとは全く別物なんですよね。

バーをスライドする時とかも、本当にダイヤルを回してるんじゃないかという感覚にさせてくるのですが、それがPocoF2Proでも使えます。

使った感じ、iPhoneにも引けを取らないぐらいの感覚ですし、振動の強さもかなり多段階で調整できるので、この点のバイブは速攻で切ってしまう自分ですが、気にいって使っています。

ここまでの質の触覚フィードバックは中々無いと思います。

以上、使っていて良かったと感じた個所を挙げていきました。

Mi9Tを正統進化させた端末、という感じです。

これを廉価帯として準備してくるか…というのはMi9Tシリーズから変わりません、コスパモンスターです。

とはいえ、欠点もあるわけでして…

良くない点

あまりにデカすぎる

ただでさえデカかったMi9Tよりも更にデカく、重くなってます。

重量は狂気の219gです。重すぎる。

その分、バッテリーの持ちもかなり良いですし、コンテンツを更に大画面で見れるというメリットはあるものの、流石に大きすぎでは?と感じたり。

ストラップやバンカーリング系のものを付けないと、片手持ちは少し厳しそうです。

また、画面が大きいとその分誤作動が増えるんですよね…

マイクラを遊んでいるときに、画面の縁に指が当たって、変な場所にブロックが設置されるということが結構頻発しました。

重めのスマホゲーは大半が横画面でプレイする(気がする)ので、横持だとどうしても手の平が当たったりしますし、その辺りをシステムで少し調整してほしかったな…とは思います。

カメラの出っ張りが凄まじい

カメラの専有面積もさることながら、それより酷いのがカメラの出っ張りです。

2mmぐらい出っ張っています…

背面のカメラ配置のパクり元っぽいMate30Proは全然カメラ出っ張ってなかったのに、どうして….

出っ張っていてもケースで守れたら別にいいのですが、PocoF2Pro付属のケースだと、なんとカメラがケースからまだ出っ張っています。ケースの意味よ。

少しだけカメラ用の保護ガラスを迷ったりするレベルで出っ張っているわけですが、その手の保護ガラスを着けるとゴーストフレアが発生したり、本来想定されているカメラ設計とは変わるので何かしらの問題が発生することがありますし…

ここまでのカメラの出っ張りは衝撃でした…

指紋は進化していない

指紋認証センサーの進化といった話は聞いた覚えが無かったのですが、Mi9Tと指紋認証の速度といったものを比べた感じでは、差は無いに等しかったので、おそらく指紋認証については進化はしていません。

とはいえ、Poco F2Pro(Redmi K30)は廉価帯に位置するモデルですし、この価格帯で、有機ELディスプレイを搭載して、高性能SoCも搭載して…と考えると、普通に使える指紋認証センサーまでより高性能なものにして金額を上昇させるよりは…といった感じでしょうか。

見づらいですが、白の指紋のマークの部分がセンサーです

ちなみにMi9Tからセンサーの位置が変わって、若干真ん中付近になりました。

スピーカーも相変わらずモノラル

XiaomiはMi10では同じサイズのスピーカーを上下に搭載し、ステレオスピーカーをかなり強調していましたが、PocoF2Proはスピーカーは相変わらずモノラルです。

Redmiシリーズは全モデルがモノラルスピーカーだった気もしますし、そこもコストカットでステレオにはしないということなんでしょうかね…

上部の通話用スピーカーを使ってステレオにすればいいのでは、と思ったりもするのですが、ポップアップカメラを採用していることもあって、通話用スピーカーが小さいというのも、ステレオ化を妨げてる要因かもしれません。

いずれにせよ、せっかく画面が大きく、動画を再生したりするのに抜群な端末ですし、ステレオスピーカーならなお良かったのにな…と思います。

SDも相変わらず使えない

SDカードは相変わらず使えません。

8K動画撮影や、64MPでの超高解像度の写真撮影、RAW撮影サポート等、かなり大きなサイズのコンテンツを扱えるのだから、SDは使えるようにしておいて欲しいですね。

64MP撮影なら16MB以上、RAW撮影なら30MB以上、8K動画は14秒で200MB近くになりました。デカすぎる。

自分のPocoF2Proはストレージが128GBですが、これだけリッチなコンテンツを扱えることをアピールするなら、ストレージは256GBスタートでも良いのでは?と思ったり。

国内モデルでは、Galaxy S20もストレージは128GBでしたが、あっちはSDが使えますし、PocoF2ProもSIMスロットを一つ排他使用できるようにしてくれても良かったんじゃないですかね。

以上、使ってて感じた不満点でした。

変なゲームが5つもプリインストールされてましたが、普通に消せたのでノータッチです。

地味にサイズが大きかったので、普通に削除をお勧めします。

端末が大きすぎる以外は、些細な不満点といったところでしょうか。

良かった点が、これらの不満点を一応かき消せるぐらいな感じですかね。

まとめ

全体的にMi9T(Pro)の正統進化したモデルと感じることが多かったです。

フラグシップモデルと同等のSoCを搭載して、5Gに対応して、削るところは削って廉価帯モデルとして売っていく、これぞXiaomiって感じですね。

XiaomiのMiブランドは、これまでのコスパが良い、安いスマホのブランドというイメージ脱却を始めました。

その代わり、それまでのスタンスはRedmiやPocoに継承されていき、今回のPocoF2Pro(RedmiK30Pro)となったわけです。

背面の高級感と言い、とても6万円を切っているスマホとは思えませんね…

単純な性能に対してのコスパだけならVivoのiQOO等他社も負けていませんが、製品の質だったりという点では流石のXiaomiクオリティでした。

ロマンもコスパも質感も、削るものは最低限にしていますね。

日本でも化け物レベルのコスパでRedmi Note9Sがかなり好評らしいですし、ここでPocoF2Proも日本でどうですか、Xiaomiさん。

以上、Xiaomi PocoF2Proのレビューでした。